建設工事や看板設置など、公道を利用する際に必要な許可が道路占用許可です。
特に建設現場での足場設置や、地下埋設管の工事等を行う方にとって、この許可手続きは事業のスケジュールを左右する重要なプロセスといえます。
今回は、行政書士の視点から道路占用許可申請の基礎知識、必要な書類、そして標準的な審査期間について解説します。
道路占用許可と道路使用許可の違いを正しく理解する
混同しやすいのが、道路占用許可と道路使用許可の違いです。
道路占用許可(道路管理者)
道路の工作物、物件または施設を設け、継続的に道路を使用する場合に必要です。
足場の設置、看板、地下埋設物などが該当します。
動かないものと解釈すると分かりやすいでしょう。
道路使用許可(警察署)
道路における交通の妨げとなる行為や、道路の本来の用法以外の目的で道路を使用する場合に必要です。
資材の搬入、工事車両の停車など、人の動きや車両の規制など動くものが対象となります。
道路占用許可と道路使用許可、両方の許可が必要なケースが多いです。
例えば、公道に面したビルで足場を組む場合、足場という構造物を置くために道路占用許可が必要であり、足場を設置・解体する際の交通規制や作業員について道路使用許可が必要となります。
道路占用許可の標準的な審査期間
道路占用許可申請を検討する際、最も気になるのが、いつから工事ができるかという点です。
標準的な処理期間は、多くの自治体や道路管理者において申請から2週間から3週間程度とされています。
ただし、以下の点に注意が必要です。
➀補正期間は含まれない
書類に不備があり補正を求められた場合、その期間は審査期間に含まれません。
➁関係機関との協議
大規模な工事や複雑な物件の場合、警察や他のインフラ管理者との協議が必要となり、期間が延びることがあります。
➂自治体による運用の差
国道、県道、市町村道などの道路管理者によって審査の窓口やルールが異なります。
申請に必要な書類
必要書類は申請先の窓口や、占用物件の種類にとって異なりますが、一般的には以下の書類が求められます。
道路占用許可申請書
申請者の氏名、住所、占用期間、目的などを記載します。
位置図
占用場所を特定するための地図、案内図。
平面図
道路のどの部分を、どの程度の範囲で占用するかを図示したもの。
断面図・構造図
設置する看板や足場などの構造や詳細寸法が分かるもの。
現況写真
占用箇所の現在の状況を撮影したもの。
公図の写し
該当土地の状況を示す資料。
その他
占用料の減免申請が必要な場合や、工事の規模によっては施工計画書なども必要です。
また近年の行政手続きのデジタル化により、押印が不要となっている自治体も増えています。申請先の公式サイトから最新の様式を入手してください。
スムーズな許可取得のために
道路占用許可は、以下のポイントを意識することが肝要です。
事前相談を必ず行う
窓口に行く前に、まずは電話で相談予約を取りましょう。図面などの資料を事前に確認してもらうことで、手戻りを防ぐことができます。
道路使用許可とのセット申請を活用
警察署と道路管理者の窓口が離れている場合でも、道路占用許可申請を提出する際に道路使用許可申請もあわせて手続きできる窓口経由の制度があります。これにより、申請者の負担を大幅に削減できます。
占用期間の管理
許可には期限があります。工事が延びて期間を過ぎてしまうと無許可占用となってしまうため、進捗管理は厳格に行いましょう。
道路占用許可の取得は、地域の交通安全を守りつつ事業を行うための不可欠なステップです。専門的な知見が必要な場合や急ぎで手続きをしなければならない場合は、当事務所へご相談ください。
「グラス湘南行政書士事務所」