建設業を個人事業主としてやられてきて、子供に許可を引き継ぎたいとお考えの方もいらっしゃるでしょうか。
かつて、個人事業主の建設業許可は一代限りであり、本人が亡くなればその瞬間に失効していました。しかし、令和2年の法改正により、一定の条件を満たせば建設業許可の相続が可能になっています。
今回は、知っているかどうかで許可の存続を左右する建設業許可の相続について、重要なポイントを解説します。

そもそも相続ができるのは誰?

相続の手続きが適用されるのは個人事業主のみです。

個人事業主:事業主本人が亡くなった場合、相続という形で承継します。
法人(株式会社など):代表者が亡くなっても、法人の許可自体は有効です(ただし、役員の変更届や常勤の役員等の交代手続きが必要です)。

タイムリミットは30日!スピードが勝負!

建設業許可の相続において、最も注意するべきは申請期限です。
被相続人(亡くなった方)の死亡後、30日以内に申請しなければなりません。
お亡くなりになって、その後の手続きで慌ただしい時期だとは思いますが、この30日を1日でも過ぎてしまうと、許可を引き継ぐことはできず、新規申請の扱いになってしまいます。新規申請となれば、許可が下りるまでの間、500万円以上の工事を受注できない空白期間が生まれてしまいます。

申請に必要な重要書類と親族の同意

相続の手続きは、引き継ぐ者の宣言だけでは認められません。客観的な証拠と、親族の合意が必要です。

必須となる主な書類

戸籍謄本:被相続人が亡くなった事実と、相続人との関係を証明するために必要です。
相続人の同意書:申請者以外の相続人全員の同意書が必要になります。

なぜ同意書が必要なの?

建設業許可という資産価値のある権利を、特定の相続人が引き継ぐことに対し、他の相続人が納得していることを証明しなければならないからです。身内間の話し合いがスムーズにいかないと、この書類が揃わずに30日の期限を迎えてしまうリスクがあります。

許可が下りるまでの請負契約はどうなるの?

申請を出してから実際に許可が届くまでは、審査期間(神奈川県の場合、通常1~2ヶ月程度)があります。その間の営業はどうなるのでしょうか。
決論からいうと、被相続人の死亡から、相続の許可通知が届くまでの間に行われた請負契約は、有効とみなされます。
通常、無許可の状態での500万円以上の受注は禁止されていますが、この相続申請時期中に限っては、事業の継続性を守るために特別な配慮がなされています。つまり、申請さえ適正に出していれば、現場を止める必要はないということです。これは経営者にとって大きな安心材料ではないでしょうか。

相続を成功させるためのチェックリスト

手続きをスムーズに進めるためのポイントを下記へ挙げます。

期限:死亡後30日以内(厳守)
対象者:相続人が建設業の欠格要件に該当していないこと
資格・経験:相続人が常勤の役員等の要件を満たしていること
書類準備:戸籍謄本、全相続人の同意書、実印、印鑑証明

まとめ

①相続は個人事業主限定のルール
②期限は30日以内。1日でも申請が遅れたらNG
③戸籍謄本と他の相続人全員の同意が必須
④申請中の契約は有効。事業を止める必要なし。

建設業許可の相続は、神奈川県内でも、この僅か30日の期間がハードルを高くしています。許可をスムーズに引き継げるように、万が一の事態が起きた際、即座に動ける体制を整えておくことが重要です。
少しでも許可の引き継ぎに不安のある方は、当事務所へご相談ください。
グラス湘南行政書士事務所