新年度の始まりや決算期を境に、社名(商号)を変えたり、後継者に継承するなどの大きな変化がある企業も多いのではないでしょうか。
このような動きにも行政手続きが生じます。数ある許認可の中でも変更の届出が必要なのは宅建業免許も例外ではありません。
今回は、商号変更と代表者変更の提出ポイントを神奈川の行政書士が解説します。

変更後の30日ルール

宅建業法第9条では、免許を受けた内容に変更があった場合、30日以内に変更を提出しなければならないと定められています。

(変更の届出)
第9条 宅地建物取引業者は、前条第2項第2号から第6号までに掲げる事項について変更があつた場合においては、国土交通省令の定めるところにより、30日以内に、その旨をその免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。

この30日という期限、実は履歴事項全部証明書が上がってくるまでの時間も含めて考えると、意外と短いものです。

・法務局での登記完了待ち:約1週間~10日
・書類作成・収集:数日
・提出:郵送または窓口

法務局の処理が込み合っていると、登記が完了した時点で残り10日を切っている・・
なんてことも珍しくありません。

商号(社名)変更の注意点

商号を変更した場合、会社の実印を作り直したり、名刺や看板を刷り直したり何かと忙しくなります。しかし、行政手続き上、最も重要なのは免許証の書換え交付申請です。
商号変更の届出を行うと、新しい社名が記載された宅建業免許が再交付されます。
宅建業者は、事務所の見やすい場所に報酬額の掲示や業者票(看板)を掲げる義務があります。免許証が新しくなったら、これらも速やかに新しい商号に書換えなければなりません。ここが古いまま放置されていると、調査(立入検査)の際に指導対象となります。

代表者の注意点

宅建業法において、代表者は欠格事由に該当しないことが厳しくチェックされます。
欠格事由とは免許を与えることができない条件のことです。代表者交代の際も、後任者が欠格事由に該当していないことが重要です。

・罰金刑(過去の犯罪歴など)はないか
・破産手続の開始決定を受けて復権を得ない者ではないか
・暴力団員等ではないか

新代表者がこれらの条件に抵触している場合、届出を受理されないばかりか、最悪の場合は免許取消しという事態にもなりかねません。

届出を忘れた、遅れた場合のリスク

➀過料(罰金)の可能性

正当な理由なく届出を怠った場合、宅建業法違反として50万円以下の罰金に処される可能性があります。

➁免許更新時のトラブル

宅建業免許は5年に一度の更新がありますが、その際に過去の変更届出を全て提出していることが前提条件となります。更新直前にまとめて提出しようとすると、窓口で指導対象となったり、始末書(遅延理由書)の提出を求められる恐れがあります。

➂業種追加や保証協会での手続き停止

別の許可(建設業許可など)を申請する場合や、宅建業保証協会の名簿変更手続きにおいても、県(知事免許)や国(大臣免許)の変更届が受理されていることが証明として求められます。一つ滞ると、すべての事務作業がストップしてしまうので注意が必要です。

変更届に必要な主な書類チェックリスト

商号変更・代表者変更で一般的に必要となる書類は以下の通りです。

書類名商号変更代表者変更
宅地建物取引業者変更届出書
履歴事項全部証明書
代表者の身分証明書・登記されていないことの証明書
代表者の略歴書
誓約書
免許証書換え交付申請書
宅建業免許証(原本)

まとめ

代表者交代や商号変更は、会社の大きな転換期です。そのような時期に複雑な書類作成や役所への往復に時間を取られるのはネックといえます。前述したとおり30日という期限は意外と時間がありません。遅れてしまった場合でも当事務所へご連絡ください。速やかな対応で許可の維持をバックアップいたします。
グラス湘南行政書士事務所