産廃業許可の申請において、最も高いハードルといえるのが、事業計画書の作成です。特に第四面(収集運搬業務の具体的な計画)は、どの車で、何を運ぶかという整合性が厳しく問われる箇所です。
今回は、事業計画書の第四面作成における、落とし穴と外せない注意点を解説します。
そもそも事業計画書 第四面とは?
第四面は、一言でいえば、会社がルールを守って安全に廃棄物を運べる能力があるかを証明する様式です。
具体的には、申請する産業廃棄物の種類(品目)ごとに、どの車両を使って運搬するのかを紐けて記載します。ここで重要なのは、車両の形状(スペック)と、運搬する品目が物理的・法的に一致しているかという点です。
塵芥車(パッカー車)の落とし穴:運べない3大品目とは?
たくさん積載でき、圧縮できるため何かと重宝される塵芥車ですが、実は産廃許可においてはNG品目がはっきり決まっています。
➀がれき類はNG
塵芥車の回転板や押し込み板は、あくまで可燃ごみや廃プラスチックなどを想定しています。コンクリート破片やアスファルト殻など、重量のあるがれき類を投入すれば、機械が破損してしまうリスクがあります。自治体の審査でも、物理的に不可能として、がれき類の運搬は認められません。
➁石綿含有産業廃棄物(アスベスト)はNG
これは安全上の理由です。塵芥車で圧縮すれば、石綿の繊維が飛散し、周囲に甚大な健康被害を及ぼすリスクがあります。
廃プラスチック類やガラスくず等の中に石綿含有産業廃棄物を含むとして申請する場合、塵芥車はそれらの運搬車両から除外しなければなりません。
➂水銀使用製品産業廃棄物はNG
蛍光灯や水銀血圧計などは、塵芥車でバキバキに割ってしまうと水銀が漏れ出します。これらも破砕せずに運搬することが求められるため、塵芥車での運搬は原則認められません。
ダンプ(土砂禁止車両)の厳格なルール
車検証の備考欄に「土砂等運搬禁止」と記載されている、いわゆる土砂禁止ダンプですが、この車両は、その名の通り土砂を積むことができません。そして産廃の品目において、がれき類は土砂に準ずるものとして扱われます。
がれき類は土砂等に含まれる
コンクリートの塊だから土ではないのでは・・と思われるかもしれませんが、理屈ではなく比重が重く、過積載の原因となるがれき類は、土砂禁止車両では運搬できないのがルールです。
第四面に記載するべきフレーズとは?
土砂禁止車両を所有しており、かつ、がれき類の許可も取得したい場合、第四面の備考や運搬計画の欄に、以下の文言を織り込む必要があります。
「土砂禁止車両では、がれき類を運搬しない」
この一文があるかないかで、書類受理のスムーズさが変わります。
許可行政庁側に対しても土砂禁止車両の制限を正しく理解していることを示すことにもなるため、必ず記載をするようにしましょう。
品目と車両の整合性チェックリスト
作成が終了したら、以下のチェックリストと照らし合わせて確認をしてみましょう。
| 車両の形状 | がれき類 | 石綿含有 | 水銀使用製品 | 備考 |
| 塵芥車(パッカー車) | ✖ | ✖ | ✖ | 機械破損・飛散防止のため |
| 土砂禁止ダンプ | ✖ | △ | △ | がれき類は積載不可 |
| 平ボディ | 〇 | 〇 | 〇 | 飛散・流出防止措置が必須 |
石綿含有や水銀使用製品を平ボディで運ぶ際は、フレコンバックや専用ケースなどの容器の使用計画もセットで記載する必要があります。
まとめ
事業計画書は、コンプライアンス意識を持って、適正に運搬するという、行政に対する表明でもあります。
特に第四面で、車両の特性を無視した計画を立ててしまうと、この業者は現場のルールを分かっていないのでは?という思わぬ不信感を持たれ兼ねません。もし、ご自身の車両でどの品目が運べるのか不安であったり、事業計画書の記載方法が分からない場合は、当事務所へお気軽にご連絡ください。実態に即した事業計画書作成をサポートいたします。
「グラス湘南行政書士事務所」