産廃業の許可申請において、頭を抱えるものとして、事業計画書の作成が挙げられます。特に特別管理産業廃棄物(以下、特管産廃)となると、その性質の危険さゆえに、自治体の審査基準は一気にハードルが上がります。
普通産廃と同じ感覚で書いていたら、補正を何度も受けてしまった・・
そんな事態に陥る可能性があります。
今回は、特管産廃の収集運搬業許可申請における事業計画書第二面を作成する際の、外せない実務上の注意点について解説します。

種類と性状の分け方が重要

事業計画書第二面でまず直面するのが、廃棄物の種類の記載です。特に廃油、廃酸、廃アルカリについては、その危険性の根拠によって明確に区分して記載しなければなりません。
ここを混同して、廃油一式などと書いてしまうと、補正を受けてしまいますので注意が必要です。

➀性質による分類(引火性・腐食性)

まずは、その物自体が持つ物理的な危険性で分けるグループです。

・揮発性廃油:揮発油類(ガソリンなど)や、引火点が0°C未満の廃油を指します。
・強酸:pH≤2.0以下の廃酸
・強アルカリ:pH≥12.5以上の廃アルカリ

➁含有物質による分類(特定有害産業廃棄物)

次に、有害物質(カドミウム、鉛、有機リン、PCBなど)が含まれているために特管廃油に指定されるグループです。

・特性有害産業廃棄物(廃油)
・特定有害産業廃棄物(廃酸)
・特定有害産業廃棄物(廃アルカリ)

これらは、運搬容器や車両の基準が異なるため、計画書上でどの種類の特管を、どう運ぶかをリンクさせて記載する必要があります。強酸をポリ容器を運ぶのはOKでも、揮発性廃油をポリ容器で運ぶのはNGといった具合です。

容器の選定:特殊引火物と第1石油類は「鉄製」一択?

特管廃油を扱う場合、消防法上の危険物分類と密接に関わってきます。ここで間違えてはいけないのが、「特殊引火性」と「第1石油類」の運搬容器です。
特殊引火物(ジエチルエーテルなど)や第1石油類(ガソリン、ベンゼンなど)を運搬する場合、計画書に記載する容器は必ず鉄製容器(クローズドタイプのスチールドラムなど)を選択してください。
軽くて丈夫なプラスチックペール缶を選ばられる方もいらっしゃるかもしれませんが、静電気による引火リスクなどを考慮し、行政は厳格な基準を求めてきます。プラスチック容器を選定した計画書を出してしまうと、安全管理の認識不足とみなされてしまうリスクがあるため注意が必要です。

車両の構造:廃酸・廃アルカリ車両の内面処理

タンク車(バキューム車)や清掃車を用いて、液体状の廃酸・廃アルカリを吸引・運搬する計画を立てる場合、車両の材質と構造の記載が非常にシビアです。
金属製のタンクは、強力な酸やアルカリによって腐食し、最悪の場合は運搬中に穴が開いて漏洩する事故に繋がりかねません。そのため、以下の仕様が必須となります。

材質がスチール(鋼製)の場合

タンクの内面にゴムライニングなどの防食のための内面処理を施していること。

材質がステンレス(SUS)の場合

運搬する液体の濃度や性質に対して、十分な耐食性があること。
事業計画書には、単にバキューム車1台と書くのではなく、吸引用バキューム車(タンク内面ゴムライニング加工済み)といった具合に、特管産廃の性質に適応した構造でることを明記しなければなりません。もし中古車両を導入する場合は、現車にライニング処理が施されているか、図面や仕様書などの証明書があるかを必ず確認してください。

なぜ第二面がこれほど重要なのか?

事業計画書第二面は、言わば安全管理能力の証明でもあります。
許可行政庁は、この書類を通じてこの事業者は、自分が運ぼうとしているゴミがどれほど危険かを理解しているか、その危険をコントロールできる設備を揃えているかなどをチェックしています。

・品目ごとの性状把握
・適合する容器の選定
・腐食・漏洩を防ぐ車両スペック

これらが揃ってはじめて、特管産廃の許可への道が開けます。

まとめ

特管産廃の許可申請は、普通産廃に比べてハードルが高いのは事実です。しかし、今回挙げたような揮発性・強酸・強アルカリの区分、鉄製容器の徹底、タンクの内面処理といったポイントを一つずつ丁寧にクリアしていけば、決して難しいものではありません。
計画書の書き方に少しでも不安を感じられましたら、ぜひ当事務所へお気軽にご相談ください。
グラス湘南行政書士事務所