宅建業の免許申請には膨大な書類が必要ですが、その中でも多くの方が申請書類の書き方や何を用意するべきか悩まれている方もいらっしゃるでしょうか。
その中でも今回は、資産の状況を示す書類について神奈川県の手引きを基に解説します。

資産の状況を報告する必要性

宅建業は、お客様の大切な財産である不動産を扱うビジネスです。そのため、宅建業者は一定の経営的基礎があることが求められます。これは不安定な財務状況では万が一、お客様が不利益を被ることになった場合、対応することが困難となることが理由にあります。提出する書類は、法人(会社)か個人事業主かによって全く異なります。

法人の場合は決算書のコピーが基本

法人の場合、新設法人か既設法人かで分かれます。

既設法人の場合

直近3期分と貸借対照表および損益計算書を提出します。神奈川県の手引きでは、税務署に提出した確定申告書の控えを提示、添付する形になります。
チェックポイントとして。営業報告書は、内容が簡潔なもので構いませんが、事業の概況を記載する必要があります。
直近が赤字であっても、即座に不許可になるわけではありません。ただし、負債が資産を上回っているような債務超過の場合は別途、改善見込みの証明などが求められるケースがあるため注意が必要です。

新設法人の場合

まだ決算を迎えていない会社は、開始時貸借対照表を作成します。資本金がいくらで、それが現在どのような形(現金、預金など)で存在しているかを示します。

個人の場合は資産に関する調書

個人事業主として申請する場合、法人とは異なり「資産に関する調書」という特定の様式に自ら記入していく必要があります。これが意外と厄介です。
この書類には、大きく分けて「資産の部」と「負債の部」があります。

資産の部

①現預金:申請日時点、または直近の預金残高を記載します。
②有価証券:株や国債など、保有しているものを時価で記載します。
③不動産:自宅や事務所、投資用不動産など。評価額は固定資産税評価額などを参考にします。
④その他:自動車や什器備品など。

負債の部

①借入金:銀行からのローンや、住宅ローンの残高を記載します。
②買掛金・未払金:他に事業をしている場合などの未払債務。

神奈川県の手引きにおいて重要なのは、裏付けです。単に数字を書けばよいだけではなく、記載した内容を証明する資料、例えば預金通帳のコピー、不動産登記事項証明書、納税証明書など)をいつでも提示できる準備をしておく必要があります。

赤字や債務超過だと免許は取れない?

赤字決算の場合は、免許は取得できないのでしょうか。結論からいうと、赤字でも許可は取得できます。しかし、債務超過の場合は、慎重に判断されるのも事実です。宅建業法上、継続的に業務を遂行できる能力が疑われるためです。
神奈川県の場合、債務超過であっても、増資の予定がある、あるいは親会社等からの資金援助があるなど、今後の経営改善の見通しを説明する書類を添えることで、審査の遡上に乗せることが可能です。

失敗しないための書き方について

数字の整合性を保つ

資産に関する調書に書いた現預金額と、添付する通帳のコピーの残高が1円でもズレていると、補正を求められます。必ずある特定日を決めて、数字を合わせましょう。

事務所の賃料を忘れない

貸借対照表や損益計算書を見る際、審査官は事務所を維持できる固定費を支払えるかを見ています。実態のない事務所ではないことを示す意味でも、財務諸表は重要といえます。

納税証明書をセットで考える

資産の状況とセットで提出するのが納税証明書(法人税や所得税)です。未納がある場合は、まず完納してから申請に臨むのが鉄則です。

まとめ

資産の状況を示す書面は、書き間違いや数字の不一致があると、審査期間が延びるだけでなく、最悪の場合、免許が下りない事態なりかねません。
神奈川県での免許申請は、手引きの解釈ひとつでスムーズさが変わります。少しでも不安に感じられたら、当事務所までお気軽にご相談ください。正確な書類作成を通じて、皆様の新しい門出を全力でバックアップします。
グラス湘南行政書士事務所