産業廃棄物(以下、産廃)の収集運搬業を適法に開始するには、事業を行う区域を管轄する都道府県知事(または政令市市長)の許可が不可欠です。この許可申請は、事業の専門性や欠格要件、施設の適合性など、多岐にわたる厳格な審査が伴います。
この複雑な産業廃棄物収集運搬業許可申請の手続きの流れを、スムーズな許可取得を目指すためのポイントと共にご紹介します。
ステップ1:まずは必須の講習会を受講する
許可申請の第一歩であり、最も重要な要件の一つが講習会の受講です。
講習会の正式名称は「産業廃棄物又は特別管理産業廃棄物処理業の許可申請に関する講習会」といい、(公財)日本産業廃棄物処理振興センターが実施しています。新規の許可申請はもちろん、更新申請においても、原則としてこの講習会を受講し、修了証を取得しなければなりません。
この修了証がなければ、申請手続きを行うことができないため、事業開始を急いでいる場合は、まずこの講習会の開催日程を確認することが最優先となります。
講習会の申込みや詳細については、(公財)日本産業廃棄物処理振興センターへお問い合わせが必要です。
ステップ2:申請書類の準備と事前予約
修了証を取得したら、いよいよ申請書類の準備に取り掛かります。
産廃収集運搬業はの許可申請は、事業計画書、収集運搬に必要な車両・施設の写真、財務状況を示す書類など、非常に多岐にわたる添付書類が必要となります。これらの書類は、法令に定められた許可基準(適正な処理能力、経理的基礎など)を満たしていることを証明するための重要な資料です。
この準備と並行しながら、申請窓口への提出のための予約を行います。
神奈川県に限らず、多くの自治台では窓口の混雑を避けるため、申請書類の提出を予約制としています。膨大な書類の準備と並行し、提出日を確定させるための予約を忘れないようにしましょう。
ステップ3:申請窓口への提出と標準処理期間の確認
準備が完了した書類を予約日に申請窓口に提出し、申請受理となると、いよいよ審査が開始されます。
ここで、許可取得までのスケジュールにおいて非常に重要で注意を要するのが、標準処理期間は、60日間(土日、祝日及び年末年始の休日を除く日数)です。
これは、申請が受理されてから許可、不許可の判断が下されるまでの目安の期間であり、実際には約2~3ヶ月を要することになります。この60日間を無駄にせず、最短で許可を取得するためには、最初の提出書類に不備がないことが極めて重要となります。
ステップ4:審査と致命的な遅延を招く補正への対応
申請が受理されると、都道府県の担当者による詳細な審査が行われます。
審査の過程で、提出書類に何らかの不備や確認事項が生じた場合、申請者は補正書類提出を求められることになります。この補正こそが、許可取得を遅らせる最大の要因となるため、注意が必要です。
ただし、申請書類に不備がある場合、補正の期間は標準処理期間から除算されます。
つまり、補正に費やした期間は、上記の60日間というカウントから外れるということです。補正指示への対応に、一週間かかれば、全体の処理期間が単純に一週間延びることになります。審査官からの補正指示に迅速かつ的確に対応できるかが、事業開始の時期を左右するといっても過言ではありません。
ステップ5:許可証の発行と手続きの完了
厳格な審査の結果、許可基準に適合している場合には、許可証発行となります。
申請者は窓口で許可証受領の手続きを行い、受領証に記入します。この時、更新や変更に伴う申請の場合には、新しい許可証を受け取ると同時に、古い旧許可証返納の手続きが必要となります。
これらの手続きを全て経て、ようやく手続き終了となり、産業廃棄物収集運搬業を開始できるようになります。
まとめ
産業廃棄物収集運搬業の許可申請は、講習会受講から始まり、書類準備、申請、そして厳格な審査と補正対応を経て、平均して数ヶ月を要する長期な申請といえます。標準処理期間60日間を最大限に活かし、スムーズな事業開始を実現するためには、不備のない書類作成と、審査中の迅速な補正対応が鍵となります。
当事務所では複雑な要件や度重なる法令改正に対応し、事業開始までの期間を最短に抑えるよう全力でサポートさせていただきます。お気軽にご相談ください。
「グラス湘南行政書士事務所」