神奈川県内で産業廃棄物(特管産廃を含む)の収集運搬業を適法に営みためには、神奈川県知事の許可または政令市長(横浜市・川崎市・相模原市)の許可が必須です。この許可申請は、書類を集めつだけではなく、事業計画の適法性、施設の要件、経理的基礎など、多岐にわたる審査をクリアする必要があります。
何から手をつければいいのか・・
申請が複雑でよくわからない・・
・・という事業者様のために、神奈川県の許可申請要件をベースに、申請準備の全体像と重要なポイントを解説します。
申請の全体像を把握する(種類と申請先)
①許可申請の種類
まず、事業のフェーズに応じて、どの種類の許可を取得するべきかを確認します。
| 申請の種類 | 目的と概要 | 留意点 |
| 新規許可 | 新規に神奈川県知事または政令市長の許可を取得する場合。 | 最も審査項目が多く、準備に時間を要します。 |
| 更新許可 | 既存の許可の有効期限が到来し、同一内容で事業を継続する場合。 | 有効期限の3ヶ月前から申請受付開始です。期限を過ぎると新規取扱いになるため厳守が必要です。 |
| 変更許可 | 既に許可を受けている方が、事業の範囲を変更する場合。 | (例)運搬する産業物の種類追加、積替保管施設の追加・変更など。変更内容に応じて、新規と同様の審査が必要となる場合があります。 |
②申請先の特定(県か政令市)
申請先は「積替保管の有無」と「事業を行う区域」によって明確に分かれます。
積替保管を行わない場合(収集運搬のみ)
収集運搬を行う区域が判断基準となります。
政令市(横浜市、川崎市、相模原市)に限定して運搬を行う場合は神奈川県知事の許可が必要です。
積替保管を行う場合
積替保管を行う場所が判断基準となります。
積替保管施設を政令市内に設置する場合は政令市の市長の許可が必要です。
積替保管施設を政令市を除く区域(市町村)に設置する場合は神奈川県知事の許可が必要です。
申請先が分かれるため、例えば横浜市内に保管施設を設け、神奈川県全域を運搬する場合は、横浜市長と神奈川県知事、両方の許可が必要となります。
申請書類の作成と提出
許可申請は、定められた様式に加えて、事業計画の概要、環境保全対策、施設の構造、財務状況などを証明する膨大な添付書類が必要です。
①提出部数と添付書類一覧
提出部数は、正本及び副本各1部(計2部)です。副本は申請者控えとなるため、コピーで構いません。また、必要書類は神奈川県の手引きにある「申請に必要な書類一覧」を参照し、漏れなく揃える必要があります。
※神奈川県の産業廃棄物・特別管理産業廃棄物収集運搬業許可申請等の手引き(積替・保管を除く。) 引用




②記載されていない書類の提出要求
審査の過程において、「申請に必要な書類一覧」に記載されていない書類について、審査機関から提出を求められる場合があります。これは、申請内容や事業形態に応じて、追加で確認が必要な事項が発生するためです。例えば、施設の写真、近隣住民への説明資料、追加の財務書類などが該当する可能性があります。
③行政書士が関与する場合の義務
当事務所のような行政書士が申請書を作成した場合は、行政書士法に基づき、必ず申請書および変更届出書に記名し、職印を押印しなければなりません。また、許可証の受け取りを行政書士に委任する場合は、委任状が必要です。
特に重要な準備事項と事前相談
①積替保管を含む許可の事前相談
積替保管は、周囲の生活環境に影響を及ぼしやすいため、審査が非常に厳しくなります。
積替保管を含む許可を申請する場合は、手続きが大きく異なるため、必ず事前に窓口への相談が必要です。保管場所を所管する地域県政総合センター(政令市の場合は各政令市の担当部署)に相談してください。適正な施設要件(囲い、掲示板、保管上限など)を満たしているか、事前に確認を受けることが重要です。
②PCB廃棄物収集運搬
PCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物の収集運搬は、環境汚染のリスクが極めて高いため、申請に先立ち事前調整手続きが必要です。
申請前に必ず、窓口に相談し必要な調整を済ませておきましょう。
③更新申請のタイミング
更新許可の申請は、許可の有効期間の3ヶ月前から受け付けが始まります。
廃棄物処理法に基づく許可は、有効期限を1日でも過ぎると失効し、新規申請と同じ手続きと審査を受けることになります。期限厳守で準備を進めていくことが肝要です。
経理的基礎の要件
産業廃棄物収集運搬業の許可要件として、経理的基礎を有することが求められます。具体的には、財務状況(直近3年分の決算書など)を確認し、事業を継続的かつ安定的に遂行できるだけの資金力があるか、負債が過大でないかなどが審査されます。この要件が不適格と判断されると、他の要件を満たしていても不許可となるため、事前の確認が必要です。
まとめ
産業廃棄物収集運搬業の許可は、地域の環境保全に直結する重要なライセンスであり、審査は非常に厳格です。事業計画と添付資料の整合性を保ち、特に積替保管やPCBを取り扱う場合は、必ず事前相談を経て手続きを進めることが、許可取得への近道となります。
当事務所では、皆様の事業計画に基づき、申請先から必要書類の収集、複雑な事業計画の作成まで、全面的にサポートいたします。お気軽にご相談ください。
「グラス湘南行政書士事務所」