道路工事やクレーン作業、資材の搬入出などで公道を使用する際、道路使用許可を警察署へ申請する必要があります。
神奈川県は人口が多く交通量も複雑なため、警察署ごとのルールや審査における着眼点に違いが見られます。
今回は、神奈川県の警察署で道路使用許可をスムーズに取得するためのコツを解説します。
道路使用許可と道路占用許可の違いを確認
本題に入る前に、混同されやすい道路使用許可と道路占用許可の違いを明確にしましょう。
道路使用許可(警察署長)
道路に足場やクレーンを設置する、資材を一時置く、工事のために交通を制限・遮断するなど、道路を本来の目的以外で使用する場合に取得します。道路交通法の安全確保が目的です。
道路占用許可(県や市町村などの道路管理者)
電柱、看板、地下埋設管など、道路に一定の工作物や物件を常時設置して継続して使用する場合に、取得します。道路法の管理が目的です。
建築工事やインフラ工事では、この2つがセットで必要になるケースが一般的です。
今回は、道路使用許可に焦点を当てて解説します。
申請前に事前協議を行う
神奈川県の警察署でスムーズに許可を取得するためには、申請書を窓口に持参する前に、事前協議を行うことをお勧めします。
特に横浜市内や川崎市内の各署など交通量が多い場所では、その場で修正を言い渡されるケースが少なくありません。
事前協議を行うことで、申請時の修正、補正をなくすることが目的です。
事前協議で確認するべきポイント
➀安全対策図の妥当性
例えば、片側交互通行や車線閉鎖を行う場合、警備員の人数や配置位置についてチェックが入ります。事前に図面を見せ、配置について安全上問題がないか確認することができます。
➁周辺環境への配慮事項
申請場所の近くに学校、病院、主要な交差点またはバス路線がある場合、特別な条件を付されることがあります。事前協議の段階でこれらをクリアにしておくことで、後からの二度手間を防ぐことができます。
➂警察署ごとの提出部数や添付書類のルール
申請書(2通)、道路使用場所の図面、迂回路図、作業計画書などに加え、警察署によっては独自のチェックシートや補足資料の提出を求められることがあります。これも事前協議の際に確認するようにしましょう。
申請書類の精度を妥協しない
警察署が最も厳しく、細かく見るのは図面と作業計画の内容です。
警察署では交通の安全と円滑を最優先に考えます。通行車両や歩行者に危険がおよばないか、渋滞を最小限に抑えられるかがチェックされます。
現場の寸法を正確に反映した図面を作成する
道路幅員と残余幅員
工事用車両や足場を置いたときに、残りの道路幅(残余幅員)が何メートル確保できるかを正確に記載します。ここが基準を満たしていないと、許可が下りませんので注意が必要です。
縮尺と方位
目分量で描かれた簡易的な図面は差戻しのリスクがあります。CADソフトが必ずしも必要ではありませんが、正確な縮尺の図面を添付しましょう。
道路使用時間帯の合理性
幹線道路や交通量の多い生活道路において、日中の交通量の多い時間帯に車線を潰すような計画は、原則として認められません。
夜間工事や交通量の少ない休日に実施するなど、混雑を最小限に抑えるタイムスケジュールを明確に組み、その理由を説明できるようにしておきましょう。
標準処理期間と余裕を持ったスケジュール管理を守る
喫緊の駆け込み申請は、お勧めできません。
法律上や運用上の標準的な処理期間を意識したスケジュール管理が不可欠です。
工事等の規模や内容によりますが、概ね申請から交付まで1週間~10日前後は見ておく必要があります。
大規模な工事やバス路線・主要幹線道路に絡む複雑な規制の場合は、さらに日数を要します。
まとめ
・提出前の事前協議を徹底し、綿密にすり合わせる。
・寸法や安全対策が網羅された精度の高い図面と現実的な計画書を用意する。
・余裕を持った逆算スケジュールを組む。
道路使用許可は、現場の安全性と地域の交通インフラを守るための重要な行政手続きといえます。
警察署との調整に慣れていない場合や、本業の施工管理等で手が回らない場合は、ぜひ当事務所までお気軽のご相談ください。
「グラス湘南行政書士事務所」