建設業界の人手不足が深刻化するなか、現場の指揮、監督を担う技術者の確保は、企業にとっての死活問題です。特に東京都のような大規模な案件が多く、コンプライアンスが厳格に求められ、適切な技術者の配置が許可維持の絶対条件となります。
実務経験を証明する負担を軽減し、熟練の技術者を有効活用するために、登録基幹技術者の活用範囲が広がっています。
登録基幹技術者とは?主任技術者になれるメリット
登録基幹技術者とは、熟練の作業技能に加え、現場管理能力や指導能力を備えた技能者として、国土交通省の登録を受けた機関の講習を修了した方のことです。
メリットとしては、特定の建設業種において、国家資格(1級・2級施工管理技士など)と同等に、一般建設業許可の営業所技術者(専技)や主任技術者になれるという点です。
通常、資格を持たない方が技術者になるには、10年以上の実務経験を証明するために膨大な契約書や注文書を準備する必要があります。しかし、登録基幹技能者の講習修了証があれば、その資格自体が技能者要件を満たすため、申請の簡素化と確実性の向上に繋がります。
新たに追加された3つの登録基幹技能者
建設業法第26条第1項に定められた主任技術者の要件を満たすものとして、新たに以下の3つの資格が追加されました。これにより、該当する工事種別での許可取得や現場配置がスムーズになります。
・登録土質改良基幹技能者
・登録都市トンネル基幹技能者
・登録潜函基幹技能者
これらの資格を保有している方は、土木工事をはじめとする各専門工事において、主任技術者としての役員を果たすことが可能です。
基幹技能者の種類と建設業種の対応表を読み解く
登録基幹技能者は、どの資格でもすべての業種に対応できるわけではありません。資格ごとにどの業種の技術者になれるかが細かく決まっています。
例えば、東京都の申請においても、以下の対応関係(資格コード「36」)を正確に把握しておく必要があります。
注意するべき点は、登録基幹技能者が技術者として認められるのは、あくまで一般建設業に限られるということです。発注者から直接請け負う一定金額以上の工事(特定建設業)においては、依然として1級国家資格等が必要となります。
旧様式の講習修了証の取扱い
平成30年より前に交付された旧様式の講習修了証をお持ちの方も、基本的には主任技術者の要件を満たします。
ただし、修了証に記載されている実務経験が10年以上あることが確認できるものに限られます。一部の講習(登録機械土木、登録PC、登録運動施設など)については、土木工事業の実務経験を有していても、主任技術者の要件としては認められないケースがあるため、注意が必要です。
東京都での申請における実務的なポイント
東京都知事許可の申請では、登録基幹技能者の講習修了証の原本提示(または原本証明を付した写しの提出)が求められます。
➀有効期限の確認
登録基幹技能者には5年ごとの更新講習が義務付けられている場合があります。失効していると技能者として認められません。
➁常勤性の証明
資格があるだけではなく、その会社に常勤していることが、不可欠です。会社との継続的な雇用関係を証明します。
➂複数業種の重複
一人の技術者が複数の基幹技能者資格を持っている場合、それぞれの対応業種を確認し、最大限に活用できるパターンを検討します。
まとめ
国家資格者がいない場合でも、実務経験豊富な技能者がいれば、許可取得の道が開けることがあります。その鍵を握るのが、登録基幹技能者です。
現場監督が登録基幹技能者の講習を修了していれば、それは立派な会社の資産となり、建設業許可を支える大きな柱となります。
法改正により、対象となる技能者の範囲は随時アップデートされています。最新の情報を正確に把握し、無理のない確実な許可申請を目指しましょう。
複雑な業種判断や、古い修了証の有効性の判断に迷われた方は、当事務所へお気軽にご相談ください。
「グラス湘南行政書士事務所」