初期費用を抑えるために、バーチャルオフィスで宅地建物取引業免許(宅建業免許)を取得したい・・
このような要望をお持ちの方もいらっしゃのではないでしょうか。
結論からいうと、宅建業免許の事務所として、バーチャルオフィスを利用することはできません。
令和8年現在においても、宅建業免許の審査基準は実態審査であることには変わりはありません。物理的な事務所の実態が不可欠なのです。
今回は、なぜバーチャルオフィスは認められず、レンタルオフィスなら認められるケースがあるのか行政書士の視点から解説します。
宅建業法における事務所の定義
宅建業免許を取得するためには、宅地建物取引業法に基づき、以下の3つの要件を満たす事務所を設置しなければなりません。
➀物理的な独立性
他の業者や居住スペースと明確に区切られていること。
➁継続的な使用
恒常的に業務を行う場所であること。
➂専任宅建士の常勤
専任の宅地建物取引士が常勤として業務に従事できること。
これらはバーチャルオフィスのような住所貸しではなく、実際に不動産取引を行い、重要事項説明書などの契約書類を適切に管理・保管するための場所であることが求められています。
なぜバーチャルオフィスでは免許が下りないの?
バーチャルオフィスは、住所のみを借りるサービスであり、物理的な執務スペースが存在しません。宅建業法では以下の理由から、バーチャルオフィスでの開業を認めていません。
物理的なスペースの欠如
顧客を招き入れ、契約書を作成・保管するための専用デスク・応接スペースが確保できません。
標識の掲示義務
宅建業者は、事務所の見やすい場合に宅地建物取引業票を掲示する義務があります。住所だけを借りる形態では、恒常的な掲示が困難です。
専任宅建士の勤務実態
専任宅建士がそこで業務を行う実態を証明できません。
行政庁の審査では、現地の写真撮影や内見が行われることもあります。実態のない場所では当然ながら免許は交付されません。
レンタルオフィスなら認められるケースとは?
レンタルオフィスであれば必ずNGというわけではありません。以下の条件を満たすことができれば認められます。
認められるための重要ポイント
➀完全個室であること
天井まで壁が届いており、施錠可能な扉がある、独立した個室であることが必須です。パーテーション等で区切っただけのブースや、シェアオフィスのフリーデスクなどは認められません。
➁独占的使用権の証明
契約上、自社のみがそのスペースを24時間365日独占して使用できる必要があります。
➂設備と看板
事務所内に固定電話を引き、契約書類等を保管する鍵付きキャビネットを設置すること。また、オフィスの入口や建物内案内看板に、法人の商号(社名)を正式に掲示できることが求められます。
➃証明書の取得
管理会社から宅建業の事務所として使用することを承諾する旨の誓約書や使用承諾書を発行してもらうことが不可欠です。
開業前に必ず確認するべきこと
レンタルオフィスでの申請は、一般的な賃貸物件よりも審査のハードルが高くなる傾向があります。特に、過去にそのレンタルオフィスで免許取得の実績があるかどうかは、申請の成否を分ける大きな要因です。
また、安いからという理由だけで物件を契約してしまうと、免許申請が通らず、無駄なコストを支払うことになりかねません。
契約前に、必ず「宅建業免許申請に使用したい」旨をオフィス運営会社に伝え、必要書類の発行が可能か確認してください。
自治体によって、独立性の解釈や必要書類が細かく異なることがありますので注意が必要です。
まとめ
宅建業免許は、バーチャルオフィスではなく、実態を伴う物理的な個室を用意することが、第一歩となります。
事務所選びで迷われている方や申請手続きに不安がある方は、ぜひ当事務所までお気軽にご相談ください。貴社の確実な書類作成と申請をサポートいたします。
「グラス湘南行政書士事務所」