産業廃棄物の収集運搬業を始めるには、自治体からの産業廃棄物収集運搬業許可が不可欠です。しかし、いざ準備を始めようと手引きを見るとその膨大な書類の量に驚かれる方も少なくありません。
どの書類をどこで取ればいいのか?
自社では何が必要なのか?
といったお声もあるでしょうか?
今回は、産廃許可の新規申請に必要な書類一式と、申請時に気を付けるべきポイントを解説します。

産業廃棄物の許可申請における4つの分類とは?

産廃業の許可申請書類は、大きく分けて作成するべき法定様式と、取得するべき公的証明書、そして写真や図面の4つに分類できます。
まずは、どの様な書類が必要か、主要な項目を整理してみましょう。

①申請書および事業計画に関する書類(法定様式)

これらは、自治体が指定する様式に沿って作成する書類です。

許可申請書(第1面~第3面)

申請書の基本情報や、取扱う廃棄物の種類などを記載します。

事業計画書

誰が、どこで、何を、どのように運ぶのか、具体的な事業の流れを説明する、審査において最も肝となる書類です。

事業開始資金および調達方法

事業を安定して継続できる資金計画があるかを示します。

誓約書

法律違反などの欠格要件に該当しないことを誓約します。現在は、令和2年の法改正により実印の押印が不要となっています。

②申請者に関する書類

法人の実体や、役員などの経歴に問題がないかを確認するための書類です。

定款および履歴事項全部証明書

法人の場合、事業目的に産業廃棄物の収集運搬が含まれている必要があります。

住民票(本籍地記載)

役員、5%以上の株主、政令使用人が対象です。マイナンバーの記載がないものを用意する必要があります。

講習会修了証の写し

日本産業廃棄物処理センターが実施する講習会を受け、試験に合格した証明です。これがなければ申請することができません。

③経理的基礎に関する書類

会社に借金が多すぎないか、納税をきちんとしているかを確認されます。

直近3年分の決算書

貸借対照表、損益計算書、個別注記表など。

法人税の納税証明書(その1)

直近3年分が必要です。

④運搬施設に関する書類

実際に産廃を運ぶ車や容器が基準に満たしているのかを確認します。

車両の写真

真横・真正面から撮影し、車両全体が写っているもの。

車検証の写し

使用権限が申請者にあることを確認します。

運搬容器の写真

ドラム缶やコンテナなど、飛散防止措置が取られているかを見られます。

申請時に注意するべき5つの重要ポイント

書類を揃える際、注意するべきポイントを下記へ挙げます。

ポイント①:公的書類の有効期限は3ヶ月

住民票や登記簿、納税証明書などの公的機関で発行される書類には有効期限があります。原則として申請日から遡って3ヶ月以内に発行されたものに限られます。早めに準備しすぎて、申請時に期限が切れていたというという事態に陥らないよう、注意が必要です。

ポイント②:神奈川県での登記されていないことの証明書は不要に

以前は必須だった成年被後見人・被保佐人に該当しないことの証明書ですが、神奈川県では令和元年12月の法改正に伴い、提出が不要となりました。

ポイント③車両写真の撮り方にはコツがある

意外と差し戻しが多いのが車両の写真です。
例えば、背景に他の車が写り込んでいないか、ナンバープレートが鮮明に見えるか、業者名の看板を掲示している場合は、その文字が読めるかを必ず現車を撮影する必要があります。

ポイント④:5%以上の株主の把握

法人の場合、役員だけではなく、発行済株式総数の5%以上を保有する株主の住民票なども必要になります。個人株主だけではなく、親会社が株主である場合は、その会社の登記簿も必要になるため、資本関係の確認は必須といえます。

ポイント⑤:同時申請による書類の簡略化

産業廃棄物と特別管理産業廃棄物の新規許可を同時に申請する場合、事業計画書の一部や定款、登記簿、住民票などは片方の申請書に添付すれば、もう一方では省略することが可能です。手数料や手間の削減になるため、両方の取得を検討されている場合は同時申請をすることがおすすめといえます。

行政書士に依頼するメリットはあるの?

ここまでお読み頂き、意外と大変そうだと感じられたかもしれません。産廃許可申請を専門家に依頼するメリットは、単に書類作成を代行するだけではありません。

①自治体ごとの独自ルールへの対応

産廃許可は自治体ごとに微妙に異なるルールがあります。神奈川県でいえば横浜市、川崎市など、複数の許可が必要な場合、それぞれの自治体の癖を把握している専門家がいればスムーズです。

②経理的基礎の事前診断

直近の決算が赤字の場合や、債務超過の場合は、追加で経営改善計画書などの作成を求められることがあります。

③本業に専念できる

慣れない書類作成に数日を費やすよりも、その時間で本業に専念頂く方が、結果的にコストパフォーマンスが良い場合がほとんどです。

まとめ

産業廃棄物収集運搬業の許可は、取得して終わりではありません。5年ごとの更新や、役員変更時の届出など、維持管理も重要です。
当事務所では、新規申請はもちろん、事業計画の策定から許可後のフォローまでトータルでサポートしております。まずはお気軽にご相談ください。
グラス湘南行政書士事務所