建設業許可を取得して事業を続けていると、途中で業種追加をすることがあります。これには業種ごとに許可の有効期限がバラバラになってしまい、管理が面倒になるというご相談があります。数年おきに何度か更新手続きを行うのは、手間も費用もかかるものです。
このようなことを解消してくれるのが、許可の一本化です。
今回は、東京都での運用を例に、この制度の仕組みやメリット、注意点について解説します。

建設業許可の一本化とは?

建設業許可の有効期間は、許可を受けた日から5年間です。
例えば、最初に内装仕上工事業を取得し、その2年後に大工工事業を追加した場合、それぞれの有効期限は2年のズレが生じてしまいます。
許可の一本化とは、正式名称を許可の有効期間の調整といい、先に有効期限が来る許可の更新手続きを行う際に、まだ期限が残っている他の許可もあわせて更新し、全ての許可の有効期限を一つにまとめる手続きのことを指します。
この手続きを行うことで、それまでバラバラだった許可日が統一され、次回の更新からは全ての業種を一度にまとめて申請できるようになります。

許可の一本化の具体的なイメージ

事例:業種Aと業種Bの許可日が異なる場合

・業種A(先行許可):令和2年8月5日取得(有効期限:令和7年8月4日)
・業種B(追加許可):令和4年2月1日取得(有効期限:令和9年1月31日)

このままの状態だと、令和7年に業種Aの更新、令和9年に業種Bの更新と、わずか1年半の間に2回も更新手続きを行われなければなりません。

一本化の手続き(令和7年6月~7月)

業種Aの有効期限が迫る令和7年6月4日~7月5日の更新申請受付期間に、業種Aの更新と同時に業種Bの更新も申請します。

一本化後の許可日

手続きが完了すると、業種Aと業種Bの新しい許可日はどちらも令和7年8月5日に統一されます。次回の更新は、5年後の令和12年8月5日に、2業種まとめて行えば済むようになります。

許可を一本化する3つの大きなメリット

一本化には3つのメリットがあります。

➀更新忘れによる失効リスクの軽減

有効期限が複数あると、管理が複雑になります。万が一、一つの業種でも更新を忘れて期限を過ぎてしまうと、その許可は失効し、再度新規更新をやり直さなければなりません。一本化することで管理対象が一つになり、失効リスクを最小限に抑えることができます。

➁手続きの手間の大幅カット

更新申請には、膨大な書類作成や証明書の取得が必要です。一本化していない場合、数年おきにこの作業を繰り返すことになりますが、一本化すれば5年に1度の作業で済みます。貴重な時間を本業に充てることができます。

➂申請費用の節約

東京都への更新手数料(知事許可の場合)は1回につき5万円です。
別々に申請すると、10万円以上かかりますが、一般化して同時に申請すれば、業種数に関わらず1回分の5万円で済みます。これは経費削減の観点からも、大きなメリットといえます。

一本化ができるタイミング

一本化はいつでもできるわけではありません。主にタイミングは以下の通りです。

➀いずれかの許可の更新時期が来たとき
➁更新と同時に業種追加を行うとき
➂更新と同時に般特新規の更新を行うとき

般特新規とは、一般許可のみ持っている業者が、新たに特定許可を取得する場合を指します。

30日前ルールに注意!

更新と同時に業種追加や般特新規を行う場合にも一本化は可能ですが、条件があります。
許可の有効期間が満了する日の30日前までに受付が可能である場合に限ります。
東京都の場合、更新申請の受付期間は有効期間満了の3ヶ月前から30日前までとされています。30日前を過ぎてしまうと、業種追加等と同時に一本化することが難しくなるケースがあるため、早めの準備が不可欠です。

実務上のポイントと間違いやすい注意点

許可の一本化を検討する際、以下の点に注意が必要です。

常勤役員等(経管)・営業所技術者(専技)の確認

一本化の手続きは更新ですので、常勤役員(経管)や営業所技術者(専技)が、引き続き要件を満たしているかを厳格に審査されます。特に、一本化によって有効期限が前倒しになる業種については、その時点での要件確認を怠らないようにしましょう。

決算変更届(決算報告)の提出は必須

更新申請の前提として、過去5年分(または前回の更新以降の分)の決算変更届がすべて提出済みである必要があります。
一本化を機に溜まっていた決算報告をまとめて行うケースも見受けられますが、直前で慌てないよう毎年の提出を徹底しましょう。

一般と特定が混在する場合

同じ業種で一般と特定の両方を持つことはできませんが、異なる業種で一般と特定を持っている場合も、更新時期を合わせて一本化することが可能です。

まとめ

建設業許可の一本化は、コストや手間、リスクのすべてを軽減できる制度といえます。
貴社の許可通知書を見て、許可日が複数に分かれているようであれば、次回の更新タイミングで一本化を検討されることを強くお勧めします。
東京都の建設業許可申請は、独自の運用ルールや細かい審査基準が存在します。
少しでも不安のある方は、ぜひ当事務所へお気軽にご相談ください。
正確なスケジュール調整から書類作成、申請の代行まで貴社の円滑な許可取得をサポートします。
「グラス湘南行政書士事務所」