建設業許可を取得しようとする際、多くの事業者様が最初に当たる壁が29種類ある業種のどれに該当するのかという判断ではないでしょうか。
その中でも電気工事は、私たちの生活に密着しており範囲が広い一方で、電気通信工事、管工事、消防施設工事などと非常に混同しやすい業種でもあります。
今回は、建設業許可における電気工事の定義から、間違えやすい他業種との違いまで解説します。
建設業許可における電気工事の定義
建設業法における電気工事は、以下のように定義されています。
「発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事」
簡単にいうと、電気を供給し、それを利用するための設備を作る工事を指します。電力会社から送られてくる高い電圧の電気を建物内で使用できるように整え、照明やコンセントまで届ける一連の工程がこれに該当します。
具体的な工事の例
・外線工事:送配電線路工事、引込線工事
・内線工事:屋内配線工事、照明設備工事、コンセント工事
・発電・変電:自家発電設備工事、原電設備工事
・その他:構内電気設備工事、電車線工事、信号設備工事、ネオン装置工事
電気工事と混同しやすい4つの専門工事
電気を使用しているから電気工事だろうと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、建設業許可の実務では、何の目的で電気を扱うかによって業種が細かく分かれます。
特に間違えやすい4つの業種との違いを見ていきましょう。
①電気通信工事との違い
・電気工事:エネルギーとしての電気を運ぶ。証明を灯す、モーターを回すための工事。
・電気通信工事:情報としての電気を運ぶ。電話、LAN、放送設備、テレビアンテナ、防犯カメラなどの工事。
判断のポイントとしては、例えば、インターホン設備において、AC100Vの電源を直接結線する場合は電気工事の知識が必要ですが、許可業種としては電気通信工事に分類されるのが一般的です。
②管工事との違い
エアコンなどの空調機の設置はどちらに該当するのでしょうか。
・管工事:冷媒配管の接続や、ダクトの設置。
・電気工事:エアコンに電源を供給するための配線工事。
判断のポイントとしては、家庭用のルームエアコン設置は管工事に該当しますが、同時にコンセントを増設したり、ブレーカーから直接配線を引く作業は電気工事の範囲です。主たる目的が空調であれば、許可としては管工事として扱うのが通例です。
③消防設備工事との違い
火災報知器などは電気を使用しますが、独立した業種があります。
・消防設備工事:自動火災報知設備、漏電火災警報器、非常放送設備の設置。
・電気工事:上記の設備に電気を供給するための電源工事。
判断のポイントとしては、火災を防ぐ・知らせるという消防法に関連する設備そのものの設備は消防設備工事となります。
④機械器具設置工事との違い
工場の大型機械の設置ケースです。
・機械器具設置工事:複数のパーツを組み合わせて現場で完成させる大型設備。
・電気工事:その機械を動かすための配電盤や配線の設置。
判断のポイントとしては、機械器具設置工事は、他のどの専門工事にも該当しない複合的な機械設置を指す業種です。通常の電気機器の設置であれば、まず電気工事を検討します。
実務上の注意点
電気工事の許可申請において、注意が必要ななのが要件でもある資格です。
電気工事の営業所の技術者(専技)になれる主な資格
・1級・2級電気工事施工管理技士
・第一種・第二種電気工事士(第二種は免状交付後3年以上の実務経験が必要)
・技術士(電気・電子部門等)
ここで重要なのは、建設業許可の電気工事と電気工事業法は別物であるという点です。500万円未満の軽微な工事であっても、コンセント設置などの電気工事を行う場合は、建設業許可とは別に電気工事業者登録を都道府県で行う義務があります。これを忘れてしまうとコンプライアンス違反となってしまう可能性があるため、必ずセットで確認することが肝要です。
まとめ
電気工事は、メガソーラーなどの太陽光発電やEV充電設備の普及により、非常に需要が高まっている業種です。しかし、誤った業種で許可を取ってしまうと、せっかくの入札チャンスを逃したり、元請けからの信頼を損なったりするリスクがあります。
・エネルギーを扱うなら「電気」
・情報を扱うなら「電気通信」
・空調や水を使うなら「管」
・消防設備なら「消防施設」
これを原則としつつ、個別の工事内容ごとに実務経験を積み上げていくことが、許可取得への近道です。
どの業種を取得するべきか判断に悩まれた方は、ぜひ当事務所へお気軽にご相談ください。
貴社の実績を確認し、最適な許可業種をご提案いたします。
「グラス湘南行政書士事務所」